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非反転増幅回路とは?(1)

非反転増幅回路
非反転増幅回路でも、オペアンプのほかに抵抗が2本出てきます。
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抵抗2本(R1,R2)を直列につなぎ、R1の片側を基準電圧(VB)として外部から電圧を与え、R2 の片側を(Vout)、R1, R2 のつなぎ目(Vx)をオペアンプの-側入力端子に接続します。オペアンプの+側入力端子には入力信号(Vin)を与えます。

このように回路を構成すると、出力電圧は入力電圧の 1+R2/R1 倍、つまり R1 の抵抗値とR2 の抵抗値の比に1を足した値に倍加されます。例えば、R1=10kΩ, R2=20kΩとすると、出力電圧は入力電圧の 2+1=3倍 になります。なお、上の式には反転増幅回路のときのような “-“がありません。これは入力波形と出力波形が上下方向同じであることを示します。ということで、”非“反転増幅回路と呼ばれています。
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非反転増幅回路とは?(2)

(1)の図において VB=0V をR1 の片側に加えています。これにより、この非反転増幅回路の基準電圧を 0V にすることができます。

ここで、入力電圧(Vin)のうち(抵抗比+1)倍に増加されるのは、基準電圧 0V からの差分です。この VB の役割が分かるようにもう2つほど例を載せます。(考え方は反転増幅回路と同じです。反転増幅回路とは?(2)を参照ください)
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非反転増幅回路とは?(3)

さて、どうしてこのような動作になるのか見てみましょう。

回路として、R1=10kΩ, R2=20kΩ, VB=0V, 無信号のとき Vin=0V、オペアンプの増幅率を 1000倍としてみます。

非反転増幅回路でも反転増幅回路と同じように仮想接地が成り立ちます。つまり、オペアンプの+側入力端子と-側入力端子の電圧は同じとしてしまうことができます。

無信号時には、Vin=Vx=0V=VB となりますので、R1 に流れる電流は I1=0A になります。となると、I2=0A にならないといけないため、Vout=0V になります。Vin=Vx=0V ですので、オペアンプでの計算式を用いても、Vout=(Vin-Vx)*1000=0V と問題ありません。従って、この状態が無信号時の電圧・電流を示すことになります。

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なお、オペアンプの+側、-側入力端子に流れる電流も考えられます。ただ CMOS アナログ回路では Ix=Iin=0A です。これは、反転増幅回路とは?(3)でお話したのと同じ理由です。

非反転増幅回路とは?(4)

さて、無信号状態から入力信号を入れて見ます。Vin=1V とします。

仮想接地の働きで Vx=1V になります。これにより、R1 には I1=(1V-0V)/10kΩ=100uA=0.1mA=0.0001A の電流が流れます。-側入力端子に流れる電流はいつも Ix=0A ですので、R1 に流れる電流はR2 から流れてきたことになります。R2 に 100uA 流れると R2 の両端にはR2*I2=20kΩ*100uA=2V の電圧差が発生します。Vx=1V で、Vout から Vx に向かって電流が流れていることから Vout は Vx=1V から 2V 高い Vout=(1+2)V=3V となります。

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非反転増幅回路とは?(5)

(4)ですでに3倍になりましたが、オペアンプの動作を確認するために反転増幅回路で行ったのと同じように、もう少し正確な計算を試みます。(ここから示す計算は動作を理解していただくためのもので、実際の動作とは違いますのでご注意ください)

オペアンプの増幅率は 1000倍ですので、Vout=3V となる Vx の電圧を逆算すると Vx=0.997V になります((VB-Vx)*1000=Vout=(1V-0.997V)*1000=3V)。Vx=0.997V とすると R1 の両端には0.997V の電圧差が発生することになりますので、I1=0.997V/10kΩ=99.7uA になります。この電流は R2 から流れてきたものなので、R2 の両端には 99.7uA*20kΩ=1.994V の電圧差が発生します。Vx=0.997V ですので、Vout=0.997V+1.994V=2.991V となります(ちなみにもう一回逆算した場合は Vout=2.991027V ですので Vout=2.991V で十分な結果と言えます)。
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なお、非反転増幅回路も反転増幅回路とは?(10)にて説明した

1.Vout の正確な電圧が理想値と同じといっていいのはオペアンプの増幅率が1000倍より大きいときで、この時、仮想接地が成り立ちます
2.オペアンプの増幅率を10倍にすると、Vout の正確な値と理想値とのずれ、ならびに、Vx の正確な値と理想値とのずれは一桁下がります

や、反転増幅回路とは?(13)に出てきた

出力信号が所望の値からずれたとき、所望の値に戻るような自動調整機能を持つ

という性質を持っています。
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目標であったオペアンプの設計に6年かけて到達しました。ここからは応用的な内容を書ける限り書いていきたいと思います。

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