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オペアンプとは?(1)

まずオペアンプから基本回路、最後に帰還の流れで話を進めてみます。


オペアンプは+側入力端子の電圧から-側入力端子の電圧の差を1000倍~100000倍くらい大きくして(大きくすることを増幅するといいます)出力する回路です。

一般的な形は出力端子が1つしかないシングルエンドと呼ばれるものです。

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オペアンプとは?(2)

例えば、入力信号がまったくなかったとき(=無信号時と言います)にそれぞれの入力端子の電圧が 0V, 出力信号を大きくする割合(増幅率と言います)を 1000倍とすると、出力端子の電圧の中心も 0V だったとすると
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という関係になります。
ここで、+入力端子に 1mV=0.001V を加えるとどうなるでしょうか?
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となります。逆に-側入力端子に 2mV=0.002V を加えると、
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となります。

オペアンプとは?(3)

(2)で見たように、オペアンプは2つの入力電圧の差を増幅しますので

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のように無信号時の入力電圧が 0V である必要はありません
さらに、無信号時の出力電圧も 0V でないことも少なくありません。
この場合は、無信号時の出力電圧にこれまでの計算値(入力電圧の差のを増幅した値)を加える必要があります。

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オペアンプとは?(4)

最近では、電源ノイズによる特性劣化を防ぐなどの目的で、出力端子にも+側、-側端子がある完全差動型が増えてきました。
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完全差動型では出力端子が2本になるのに加えて、もう1本端子が増えます。この端子に与えられた電圧が出力電圧の無信号時の値になります。(出力も差で表現されてしまうため、無信号時の出力電圧値を決めることができなくなるため)。考え方はシングルエンド型と同様ですが、出力電圧の決め方が変わります。
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オペアンプとは?(5)

オペアンプを見ると
(1)なんで入力が2つあるの?
(2)なんで増幅率がとんでもなく大きいの?
と思うと思います。この謎を解くために、オペアンプの長所と短所を見てみます。

電子回路にはオペアンプ以外に抵抗容量コイル(受動素子の仲間です)が出てきます。この受動素子とオペアンプを比較しながら、オペアンプの性質を見てみます。

オペアンプは入力電圧を増幅できるが、受動素子では簡単ではない
オペアンプの長所は入力電圧を増幅(大きく)できることです。受動素子だけでは、こちらの希望通りに増幅するのは簡単ではありません(小さくすることは簡単ですが)。オペアンプが増幅できるのはトランジスタMOSトランジスタバイポーラトランジスタなど)という素子を使用しているからです。なお、トランジスタは能動素子と呼ばれる素子の仲間です。

受動素子でできた回路は出力信号がひずまないが、オペアンプだけではひずむ
オペアンプの欠点は出力信号の波形が入力信号の波形から変わってしまうことです。この波形が変わることを波形がひずむ(歪む)と言います。
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出力信号がひずむことは大問題です。自分の声を録音したら違う人の声になった…とか、写真をとったらピンボケになった…のようなことにつながるかもしれません。これに対し受動素子のみの回路では、基本的に出力信号は歪みません(出力にて大電流を引き抜くような無茶をすればおかしくなりますが)。

このようにオペアンプは増幅できても波形がひずみます。そのため、オペアンプ単独ではまず用いられません。実際には受動素子の力を借り、さらに、帰還という考え方を使うことで、波形のひずみを実使用に耐えられるところまで改善します(なくすことはできません)。

さきほどの2つのハテナの答えは、この帰還という考え方を取り入れるため、と言えるかと思います。

8Tr2段オペアンプとは(1)

いよいよオペアンプの中身です。

オペアンプとなる回路には非常に多くの種類がありますが、まずは一番基本となる形を見ていきます。トランジスタを8つ使う2段の回路なので、仮に 8Tr2段オペアンプと呼びます。8Tr2段オペアンプは以下の形をしています。
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このオペアンプは大きく3つの部分に分けることができます。
それぞれ、入力段出力段位相補償といいます。
なお、IREF 端子でダイオード接続しているトランジスタは、オペアンプの外の回路で作成した基準電流(カレントミラー(6))をオペアンプに取り込むための電流源です。

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入力段は2つの入力信号を取り込む部分です。このうち、下に一つあるトランジスタはテイル電流源と呼ばれ、カレントミラーで作成されています。また、2つの入力信号がゲート端子となっているトランジスタを入力トランジスタといいます。今回の例では、入力トランジスタはNMOS トランジスタを用いていますが、PMOSトランジスタで作成することもできます。その場合は、オペアンプ全体をひっくり返した形になります。

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8Tr2段オペアンプとは(2)

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 入力段2つのソース接地回路テイル電流源からできています。それぞれのトランジスタの役割については後ほど説明します。

 出力段実はソース接地回路そのものです。入力段の出力がそのまま出力段の入力に接続されます。オペアンプの出力端子である OUT 端子から後段の回路等と大きな電流をやり取りする必要があるため、出力段のトランジスタサイズは通常大きいです。なお、OUT 端子と外部回路等を行き来する電流は駆動電流といいます。オペアンプはこの駆動電流を使って、外部回路等を動かすことになります。

 位相補償は負帰還回路(反転増幅回路(1)非反転増幅回路(1))を組んだときに起こる発振と呼ばれ現象を止めるためのものです。抵抗と容量を直列接続したものが一番簡単なものです。

 ざっと見てきましたが、8Tr2段オペアンプはソース接地回路が2段(入力段、出力段)重なった構造です。ソース接地回路の増幅率がざっくり100倍(=40dB)弱のため、8Tr2段オペアンプは 2段で100×100=10,000倍(=80dB)弱の増幅率が得られます。

8Tr2段オペアンプとは(3)

ここからは、入力段の詳細に戻ります。2つのソース接地回路とテイル電流源それぞれについてみていきます。

(1)なぜソース接地回路が2つあるのか?
 オペアンプとは(5)で入力が2つあり増幅率が高いのは特性をよくするために帰還という考え方を導入しやすくするためと見てきました。ここでは、2つの入力で差をとる重要な理由をもう一つ見ていきます。

まず、単純なソース接地回路を考えます。ソース接地回路単体でもDCゲインが高いため、入力信号がソース接地回路に入る前に何らかの原因(外乱ノイズと言います)で乱れてしまった場合、外乱ノイズが小さくても、出力信号は大きくゆがみます。

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外乱ノイズを抑えるのは難しいため、外乱ノイズが入っても正しく出力できるよう回路を組みます。8Tr2段オペアンプでは、同じサイズのソース接地回路を2つ並べ、2つの出力の差をとるようにしています。片方の入力に入力信号を入れ、もう片方には入力信号の中心電圧(入力バイアス電圧)のみを入力すると、普通のソース接地回路と同じ働きをします。
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8Tr2段オペアンプとは(4)

ここで外乱ノイズが入った発生した場合、2つの入力に同じだけ外乱ノイズが入るように(2本の配線を隣接させてレイアウトする等)努めれば、出力はまったくゆがまないことになります。

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このように差をとると、回路は外乱ノイズの影響を受けにくくなります。オペアンプの入力信号は遠い場所からオペアンプに来ることが多いため、入力段は必ず差をとる構造になっています。

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8Tr2段オペアンプとは(5)

あとは引き算回路の作り方です。といっても単純で、2つのカレントミラートランジスタの一つをダイオード接続するだけです。早速、動作原理を見てみましょう。

回路ですが、ダイオード接続をIN1側のカレントミラートランジスタに行い、反対側の出力を回路の出力としたものとします。
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ここで、IN1 の信号を ΔVIN1 、IN2 の信号を ΔVIN2 変化させます。入力トランジスタに流れる電流は IN1 側が ΔI1=gmΔVIN1 、IN2 側が ΔI2=gmΔVIN2 変化します(2つのソース接地回路のトランジスタサイズは同じとしましたのでgm=gm1=gm2です)。これに対し、カレントミラートランジスタに流れる電流は IN1 側は入力トランジスタで変わった電流 ΔI1 がそのまま流れますが、IN2 側は作成したカレントミラー回路により IN1 側のカレントミラーに流れている電流と同じ ΔI1 しか流れません
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8Tr2段オペアンプとは(6)

この状態で、IN2 側のソース接地回路に対して小信号等価回路を立ててみます(ソース接地回路(13))。

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カレントミラートランジスタも電流値がΔI1変化した形として整理すると、ソース接地回路の小信号等価回路(ソース接地回路(14))の電流源部分が2つの電流の差に置き換わった形になっています。電流がドレイン抵抗に流れることで出力になるため、出力電圧は

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2つの入力信号の変化の差とソース接地回路単体の増幅率の積で表される形となります。

 このように、2つのソース接地回路とダイオード接続を組み合わせることで、入力信号の変化の差を増幅することが可能になります。なお、この回路は差動対(さどうついと読みます)と呼ばれています。

8Tr2段オペアンプとは(7)

2)テイル電流源の役割
 ソース接地回路にはもう一つ大きな問題があります。それは、入力信号の中心電圧(入力バイアス電圧)が非常に精密なものになってしまうことです。ちょっとでもずれてしまうと、その値が数十倍という高い増幅率で増幅され、すぐに出力がクリップしてしまいます(ソース接地回路(3))。テイル電流源はこの問題を解決するために追加されます。テイル電流源の動作原理を見てみましょう。
 入力信号が無信号の時、テイル電流源に流れる電流を I とすると、それぞれのソース接地回路には半分の I/2 の電流が均等に流れます(2つのソース接地回路のトランジスタサイズが同じなため)。この時、入力バイアス電圧が 1.2V でテイル電流源のドレイン電圧が 0.3V だったとしましょう(Vgs=0.9V)。
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ここで、入力バイアス電圧が 2.5V に上がると、入力トランジスタに大きな電流が流れようとします(Vgs→2.2V)。しかしテイル電流源トランジスタの Vds 特性から、テイル電流源の電流が増えると、テイル電流源のドレイン電圧は上がります。その結果、入力トランジスタの Vgs は元の値に戻り、流れる電流も Vin=1.2V の時とほぼ同じ値になります。
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さらに、カレントミラートランジスタに流れる電流がほぼ同じなので、出力信号の中心電圧(出力バイアス電圧)もほぼ同じ値になります。こうして、テイル電流源により、入力バイアス電圧を変化させても出力バイアス電圧を一定に保ち、クリッピングを防止することができます(ただし、入力バイアス電圧が入力電圧範囲と呼ばれる範囲を外れるとこの関係が崩れ、正常に動作しなくなります)。

オペアンプの仕様(1)

次にオペアンプの仕様を見ていきます。

オペアンプの性能である仕様が理解できないと設計はもちろん困難になります。今回例として市販されているオペアンプの仕様(大抵のものはデータシートとしてダウンロードできます)を見ながら説明していきたいと思います。

今回例として挙げるデータシート

(1) 絶対最大定格
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設計値というよりプロセス(MOSトランジスタの動作(17))によって決まる「この値を一瞬でも超えるとIC が壊れる」ことになるものを絶対最大定格といいます。
ユーザーが入力することになる電圧としては、電源電圧、入力は2つあるため、単体としての入力電圧の限界と2つの入力電圧の差の限界が書かれています。
許容損失は、部品の性能を維持できる温度を超えない最大の消費電力のことです。ICを動作させるとICに掛けた電源電圧とICを流れる消費電流により電力が発生し、それにより発熱します。この熱により内部の温度がある値(プロセスによって決まります)を超えるとICは熱破壊を起こします。
動作温度は ICを動作させるときの周囲の温度、保存温度は電圧を掛けない状態で放置保存可能な温度の規定になります。

これら絶対最大定格はCMOSのプロセスを選定する上で重要な仕様になります。

オペアンプの仕様(2)

(2)電気的特性

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次に電気的特性です。
これらの値は、プロセスで決まる値や設計値等から成り立っています。このオペアンプを使って回路を組む際、その回路の仕様を満たすかどうかを検討する際に使う値になります。

入力オフセット電圧
 MOSトランジスタの動作(19)で見たとおり、ランダムばらつきにより差動対8Tr2段オペアンプとは(6))の2つのソース接地回路のトランジスタサイズ W, L 値が同じになりません。W, L 値の違いは入力バイアスの差になって現れます。この入力バイアスの差入力オフセット電圧といいます。入力オフセット電圧があると、2つの入力に同じ電圧を入れても出力電圧が発生してしまいます。この出力電圧をなくすためには、2つの入力に入力オフセット電圧に相当する直流電圧差を入力する必要があります。

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 入力オフセット電圧はランダムばらつきにより発生するため、その値がオペアンプごと違います。従って、表記されるのは最大値のみです。上の表では4.0mVとありますが、これは絶対値の最大が 4.0mV、つまり±4.0mV ということになります(正確には標準正規分布で3σ(99.7%検定)になる値を用いることが一般的です)。

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オペアンプの仕様(3)

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入力バイアス電流、入力オフセット電流
 入力バイアス電流は入力端子に流れる直流電流量です。入力端子は MOS トランジスタのゲート端子になるので、入力バイアス電流はほぼゼロです。入力オフセット電流は2つの入力端子に流れる直流電流量の差ですが、入力バイアス電流がほぼゼロなため、入力オフセット電流もほぼゼロです。なお、この2つの電流値はバイポーラトランジスタで構成されたオペアンプの時などには重要な値となります。

オペアンプの仕様(4)

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出力ハイ電圧、出力ロー電圧
 出力できる電圧範囲の項目です。これには、歪むことなく出力できる電圧の範囲と歪んでもいいのでとにかく出力できる電圧の範囲の2つの考え方があります。この表の値は後者と考えられ、最大値が出力ハイ電圧、最小値が出力ロー電圧となっています。なお、これらの値はオペアンプの出力端子が外部回路とどれくらいの電流をやり取りするかで変化し、電流量が大きくなると電圧範囲が狭くなり、ある値を超えると急激に悪くなります(トランジスタがそれ以上の電流を流せないため)。

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これに対し、歪むことなく出力できる範囲を設計では出力電圧範囲と呼びます。この出力電圧範囲は通常電源電圧からオーバードライブ電圧ドレイン抵抗とは?(1))を引いた値になります。オーバードライブ電圧を超えると、ドレイン抵抗が急激に減少し増幅率が下がることで大きく歪みます。

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オペアンプの仕様(5)

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出力ソース電流、出力シンク電流
(この項目に電流値が3つあるのは、消費電流値が違う3つのタイプを一度に載せているためです)
 駆動電流の項目です。オペアンプから出て行く方向の電流が出力ソース電流、オペアンプに入っていく方向の電流が出力シンク電流です。

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通常、出力ソース電流と出力シンク電流のどちらかが大きくなっています。これは 8Tr2段オペアンプでもそうですが、片方がカレントミラートランジスタで、片方が入力段の出力が接続されたトランジスタだからです。

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なお、電流値は温度に大きく影響を受けます。今回、出力シンク電流が大きく影響を受け、温度が上がると電流量が大きく減少します(MOS トランジスタの動作(22))。出力ソース電流側はカレントミラートランジスタということもありほとんど変化していません。

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オペアンプの仕様(6)

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(同相)入力電圧範囲
入力バイアス電圧(入力信号の中心電圧)として入力可能な電圧範囲です。ただ、非反転増幅回路(非反転増幅回路とは(1))などのようにオペアンプの2つの入力に同じ形の交流信号が入力される回路の場合は、入力信号自体の電圧範囲となります。
入力電圧範囲は内部の入力段の構造によって決まるため、設計ではどのような入力信号が入力されるかによって入力段の構造を決めていくことになります。
詳細は 8Tr2段オペアンプの設計(8)に回しますが、今回のオペアンプは入力トランジスタがPMOSトランジスタのため、入力電圧範囲はVSSよりの値となっております。

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オペアンプの仕様(7)

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スルーレート
 出力電圧がどれだけ早く変化できるかの指標の一つです。入力電圧を急激に(通常は矩形波=パルス波状に)変化させた際の出力電圧の変化を測定します。スルーレートの場合、1usで何V出力が変化するか?(単位:V/us)を測定します。スルーレートは出力端子にどれだけの負荷容量をつけるかで変わるため必ず記載があります。このデータシートでは、CL=20pF となっています(この負荷容量をあえて接続して測定しているということです)。

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このデータシートには入力信号の変化が大振幅の波形と小振幅の波形が記載されています。大振幅のスルーレートはテイル電流源の電流値と位相補償容量の値で決まるため、立上がり(rise といいます)と立下り(fall といいます)の波形がほぼ同じになっています。小振幅の波形は出力信号の安定度が確認できます。今回のオペアンプの位相余裕が50°となっている(次項目で説明します)ため、出力が変化した後にリンギングと呼ばれる出力波形の乱れが2回弱発生しています(このあたりの詳細は 8Tr2段オペアンプの設計(24)で)。

オペアンプの仕様(8)

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電圧利得、帯域幅
 いわゆる周波数特性(F特)の項目(RCフィルタとは?(17)ソース接地回路(31))です。この項目も負荷容量に依存しますので、CL=20pF の記載があります。

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 電圧利得はDCゲインソース接地回路(29))、帯域幅は開ループ電圧利得(オペアンプではオペアンプ単体のことを開ループと表現します)が0dBのところであるゼロクロス周波数のことと思います。このグラフには位相のものも載っており、実際の回路(負帰還回路)を組んだ際に重要になる安定度を示す位相余裕が50°と記載されております。
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目標であったオペアンプの設計に6年かけて到達しました。ここからは応用的な内容を書ける限り書いていきたいと思います。

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