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8Tr2段オペアンプの設計(24)

このあたりは重要ですので、位相余裕が 30°(=150°)以上の波形をもう少しスケールを拡大して見ていきます。
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まず用語から説明します。ステップ応答による振動自体をリンギング(ただし振動の回数が少ないときにこの用語を使うことが多いと思います)、リンギングにより入力電圧より出力電圧が大きくなってしまった部分をオーバーシュート、入力電圧より出力電圧が小さくなってしまった部分をアンダーシュートと言います。さて、位相余裕リンギングの回数から見てみると、位相余裕 30度でリンギングが約 3 回45度でリンギングが約 1.5 回70度でリンギングがなくなりますオーバーシュートアンダーシュートは量が大きいと IC や後続回路の破壊につながる恐れがあるため、できれば位相余裕は多く取りたいところです。しかし、位相余裕を多く取ろうとすると、それに必要な回路(実際には容量)が大きくなり IC 自体が大きくなってしまったり、スルーレート特性(オペアンプの仕様(7))が悪くなったり(出力の反応が遅くなる)します。要求された仕様に従ってどのくらい出力波形の“乱れ“が許されるかを検討しながら、実際の位相余裕の値を決めていく必要があります

予断ですが、このあたりの話は自動制御理論の古典と呼ばれる分野が基礎的理論となります。8Tr2段オペアンプによる負帰還回路はフィードバック2次遅れ要素というものに該当します。この理論によれば、

位相余裕 0度=遅れ 180度の発振している波形 → 不減衰単振動
位相余裕が 70度より小さい場合のリンギングしている波形 → 不足減衰減衰振動
位相余裕が 70度くらいのリンギングがちょうどなくなる波形 → 臨界減衰
位相余裕が 70度より大きいリンギングがない波形 → 過減衰

という名前がついています。ご参考まで。
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目標であったオペアンプの設計に6年かけて到達しました。ここからは応用的な内容を書ける限り書いていきたいと思います。

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